
田中さん紹介文:上海にて、とある会社を経営している30歳前後の日本の方。これまでかなり濃い経験をされているようで、その完璧な中国語はもはやネイティブと言っていいくらい。上海の街中にあるオープンテラスにて、僕に優雅なザリガニの食べ方を教えてくれた人でもあります(笑)。

休日は何をされてるんですか?


休日…。洗濯ですかね。平日はそんな時間がなくて。一日に3回くらい洗濯機回しますね。好きなんですよ、洗濯。


これはまたマニアックな…(笑)。田中さんは上海に来る以前にも中国に住んでいたそうですが、上海にきてからはどれくらいになるんですか?


上海にきてからだと5年目になりますね。


5年。やっぱり5年くらいいるといろいろと分かってくるかと思うんですが、田中さんが考える、上海にあって東京にないものってなんですか?


気楽さ、ですかね。失敗とかをしても街全体が許してくれるっていう優しさっていうのかな。逆に東京にあって上海にないものはストレスだと思います。


そういう感覚っていうのは恐らく短期間の滞在だと、本当の意味では感じ取れないものかもしれませんね。どんな時に上海で働いていて良かったなと思いますか?


う~ん、深夜残業が終わって外に出た時に、いろんな人がそういう遅い時間でもまだ働いていて、寂しくないなと思える時ですね。みんな頑張ってるんだなっていう。その人達と自分は何の関係も無いけど、そういう感じを味わえる時はやっぱり上海っていいなと思いますね。東京だと、深夜に働いてる人って限られてくるじゃないですか。やっぱそういうのは少し寂しいですよね。


まさに眠らない街、上海といったトコですかね。東京には東京らしさがあると思うんですけど、これは社会人の方だから見える角度っていう気がします。日本が恋しくなることはありませんか?


全くないですね。


マジですか…。僕だったら異国での生活の中で、絶対日本が恋しくなる時ってあるような気がします。上海で生活していて困ることとかはないんですか?


そりゃありますよ。例えば上海人と火鍋を食べる時に彼らの多くがビールじゃなくてヨーグルトを飲んだりすること(笑)。これにはビックリしましたね。女の子もあまりビールを飲まないし、ビールを飲んでる人は外地の人が多い。それが困るというか、すごく悲しい。別に無理して飲む必要は全然ないけど、やっぱりカタチだけでも欲しいじゃないですか。大連とかだとむしろその逆で、もう飲みすぎて困るっていうことが起こるんですけどね(笑)。


それはどちらも困りますね(笑)。でも確かに酒は会話を弾ませる触媒みたいなものですからね。そういう席で酒を飲みなれている日本人としては辛いかも。ビールじゃなくてヨーグルト…。そんな上海人の一般的なイメージってありますか?例えば関西人ならノリがいい、みたいな。


う~ん、上海の一般的なイメージは冷たいって感じなのかなぁ。あくまでイメージで、実際はそんなことないんですけどね。あと上海人ときたら蟹を思い出しますね。10月になるとそこらじゅうででカニが売られますよ。


上海人が冷たい!?それは驚きました。こっちに来てからまだそういう体験をしてないものですから。外地の中国人と比べるとそう感じるのかもしれませんね。では、上海に来る日本人に薦めたいところやアドバイスはありますか?


もうすぐ再開発計画によって潰されてしまう予定の場所ですね。七浦路の裏の路地とか。日本疎開時代の二階建ての建物とか。あと3年もすれば、そういうものはなくなっちゃいますから。この前も再開発計画によって美味しい羊の肉を出すお店がなくなってしまって悲しかった…。お気に入りだったのに。


それは悲しいですね。なるほど、昔の上海を感じられるものがどんどんなくなっていると。生まれ変わっても、上海で仕事をしたいと思いますか?


生まれ変わったら、ですか。生まれ変わったら上海で仕事はしたくないですね。


それは何故ですか?


多分その時の上海は、いわゆる上海らしさがないと思うので。逆に前世の自分が上海で仕事をしていたら嬉しいですね。やっぱりだんだん上海らしさが失われていると思います。


田中さんの考える、そのいわゆる上海らしさっていうのは何なんですか?


巨大なバーチャルワールド、といったところでしょうか。いい意味で全てが軽薄であり、にせものっぽいというか。世界中の軽薄なものが集まってくるっていう感じ。それが上海の魅力だと思いますね。言ってみれば1920年代、詩人の金子光春が描写したようなパリとか上海の古き懐かしき良さといったもの。多分さっき言った上海の街にある気楽さや街全体の優しさっていうのはそういうところに由来していると思いますね。最近はそれがだんだんなくなってきていると感じます。ニューヨークみたいな上海なんて想像したくないですね。


上海の「今」を捉えたその視点は上海に5年住んでいる田中さんだからこそ持てるものだと思います。すごく参考になりました。


いえいえ。他の人に聞いたら全然違うこと言うかもしれないですよ(笑)


その時はその時です(笑)。それでは最後の質問です。田中さんにとって、上海人.comとはどのような存在ですか?


いずれ何かをやらかしてくれる会社です。


ありがとうございました。それでは本当にこれで最後。日本のみなさんへ一言お願いします。


とりあえず、上海に住んでみてください。


